あらすじ

脱出地点の緑ランプを目の前にして、俺は背中から撃たれた。 命懸けで掘り出した暗号キーも、血反吐を吐いて組み上げたライフルも、全部持っていかれた。 ――極東・特別経済封鎖区。書類の上では「ノヴォ・クラスナヤ」。 だが中にいる人間は誰もそう呼ばない。封鎖される前からの名前で呼ぶ。 ――ルサヴスク。 ここでは死んでも、隔壁の内側の培養槽で目が覚める。 ただし持ち物はすべて、死んだその場所に置き去りになる。 目覚めた俺の手元に残ったのは、錆びた旧式のボルトアクション歩兵銃が一丁と、 湿気た紙箱に入った安物の弾が五発。そして五百三十二万クレドの借金。 撃ち合いはしない。無駄弾も使わない。 元・兵器工廠の検査技師だった俺には、あいつらの装甲がどの弾で抜けて、 どこが何も着けていないかが分かる。 拾う。削る。詰め直す。売る。そして生きて帰る。 ――奪われた装備の代金は、利息をつけて頭蓋骨から回収してやる。 銃器と弾薬の物理法則だけで殴り合う、全ロス前提のサバイバル・ハードボイルド。

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カクヨム
カクヨム2026/09/06
  • 現在の作品死んでも戻る。装備は戻らない。 ―エスケープ・フロム・ルサヴスク―