あらすじ

孤児院育ちの平民、リゼルカ・ハルヴィには、誰にも明かせない不思議な目があった。それは文字に宿る感情が色や熱、質感となって見えるというもの。  王立アカデミーの卒業研究発表会。子爵令息の研究資料を覆う灰色と、別の生徒のノートに宿る鮮烈な輝きを見たリゼルカは、大勢の観衆を前に声を上げる。権威に奪われた研究を、見なかったことにはできなかった。  アカデミー卒業後、念願の王立文書院で鑑定官となったリゼルカのもとへ、使用人を受遺者に指名した遺言状、横領の証拠とされた帳簿、そして切り抜き文字で作られた脅迫状が持ち込まれる。  鑑定官が判ずるべきは、文書の真贋だけ。それでもリゼルカは、文字の向こうに取り残された声を見捨てられない。  秘密の目を持つ猪突猛進な若手鑑定官が周囲を巻き込みながら文書に遺された声なき感情をすくい上げる、お仕事ファンタジー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/06
  • 現在の作品王立文書院鑑定録〜その文字の色を、私だけが知っている