あらすじ

バイト先のコンビニでは、毎日、売れ残りとは言えない量の弁当が棄てられる。建築学科の学生だった〈私〉は、それをかっぱらって公園の猫に食わせるのを、ひそかな習慣にしていた。 一、二ヶ月が過ぎた夜、公園の様子がおかしい。地面すれすれに白いモヤが漂い、風はなく、いつもの猫が一匹も出てこない。代わりに現れたのは、餌付けしていた猫の中にはいなかった、真っ白な猫と真っ黒な猫。猫は逃げ、私を誘い、十分ばかり追いかけっこをしたあと、黒猫が私と正対して座った。白猫がその間に入り、私に密着する。 誰も、何も言わない。誰も、動かない。十五分。 あの夜のことは、いまも、白い猫の背中の肌触りだけが残っている。あそこまで真っ白な猫は、あれ以来、見たことがない。

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カクヨム
カクヨム2026/09/06
  • 現在の作品十五分の猫