あらすじ

福井県敦賀市に暮らす久保田家は、税理士の父・祐司と社労士の母・麻美、高校一年の娘・瑞稀、中学二年の息子・遥斗の四人家族。北陸新幹線延伸で仕事が急増した両親と、進路を巡って反発する子どもたちの間には、同じ屋根の下に暮らしながら心は離れているような冷えた空気が漂っていた。瑞稀は税理士の道を、遥斗は社労士の道を、それぞれ親から期待されているが本人たちはまったく望んでいない。 ある日、祐司が取引先からもらった招待券がきっかけで、家族は大雪の大野市にある「レトロぬくもり屋台村&湯治宿」へ不本意な一泊旅行に出かけることになる。宿は「日常を忘れる時間」がコンセプトで、滞在中はスマートフォンを含む全デジタル機器を没収されるルール。猛反発した子どもたちだったが、逃げ場をなくされた家族は、源泉掛け流しの温泉や、赤提灯が灯る昭和レトロな屋台村(おでん・焼き鳥・ラーメン・射的・綿菓子など食べ放題)を通じて、少しずつ言葉を交わし始める。 サウナで父と息子が短く本音を交わし、屋台村のテーブルでは久しぶりに家族全員で笑い合う。夜、こたつを囲んだ席で瑞稀が「服飾やデザインを勉強したい、東京の大学へ行きたい」と本心を打ち明けると、両親も自分たちのエゴを認めて詫び、応援を約束する。遥斗も「ゲームクリエイターになりたい」と本音を語り、母もそれを受け入れる。両親もまた、仕事優先で家族と向き合ってこなかったことを互いに謝罪し、家族は「また来よう」と再訪を約束する。 翌朝、雪が上がった大野からの帰り道、車内には行きとは違う穏やかな空気が流れ、瑞稀の提案で懐かしい勝山の恐竜博物館に立ち寄ることに。デジタルから切り離された一夜を経て、久保田家は本当の意味での「家族」を取り戻し、新しい明日へと歩み出していく——という、家族の絆の再生を描いた物語です。

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小説を読もう2026/09/06
  • 現在の作品『よう来たの〜恐竜王国屋台村』