あらすじ

皆さんは、森の木々が地下の「菌根ネットワーク」を通じて、互いに栄養を分け合ったり、危険を知らせるシグナルをやり取りしているという話を聞いたことがあるでしょうか? 近年の生態学の進展により、この果てしなく広がる地下の網の目が、まるで人間の「脳の神経回路(ニューラルネットワーク)」のように複雑な構造をしていることが分かってきています。 本作の着想は、ひとつのシンプルなSF的思考から始まりました。 「もしも、アマゾンの地下に広がるこの巨大なネットワークが、自己を修復する『巨大な脳の器』だったとしたら?」 「そして、もしもそこにテクノロジーを介して『論理』を教え込み、人類が対話を試みることができたなら?」 物語は、アマゾンの奥地で未知のシグナルを追う一人の異端の研究者の姿から幕を開けます。 彼らが向き合うことになるのは、人間の尺度をはるかに超えたスケールの存在です。 この作品で私が本当に描きたかったのは、単なるパニックSFやモンスターの恐ろしさではありません。 何も知らない純白の知性が、私たち人間の歴史や、ネットの海に溢れる膨大な情報――平和を願う崇高な理想と、争いを止められない残酷な矛盾――に触れたとき。果たして彼らは、「人類」という存在をどう解釈するのか。 私たちが日々生み出している「悪意」や「矛盾」を鏡のように映し出されたとき、人間はどう振る舞うのか。 これは、未知の知性とのスリリングなファースト・コンタクトを描いたSFであり、コントロールできないシステムに依存していく現代社会の危うさを問うサスペンスでもあります。 予測不能な知能戦の果てに、人類がどんな選択を迫られるのか。

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カクヨム
カクヨム2026/09/05
  • 現在の作品FIN:森の知性