あらすじ
天体観測が趣味の僕は、満月の夜、いつもの丘へ向かう途中で見覚えのない道に迷い込んだ。
たどり着いた場所から夜空を見上げると、スターリンク衛星を思わせる光の列が現れる。
だが、それは蒸気を噴き上げながら星空を駆ける本物の銀河鉄道だったのだ。
列車から降りてきたのは、狼(ろう)と呼ばれる執事風の男と、藍色の十二単を纏った謎の女性。
「妾は、大切な人間に会うため、この地へ降りるのじゃ」
彼女が語り始めたのは、誰も知らない昔話の続き――千年もの間、胸に秘め続けてきた後悔だった。
満月に導かれた、一夜限りの不思議な出会いと別れの物語。