あらすじ

月見里──この苗字の読み方に、二十八年間ずっと苦しめられてきた月見里充希。  いつも「つきみざと」と間違われて読まれ、その都度訂正し、作り笑顔で解説者を演じ続けてきた充希にとって、結婚による改姓は、長年の重荷からの解放を意味していた。  結婚式を翌日に控えた夜、祖母から明かされた先祖の物語が、彼女のなかの「消したかった苗字」の意味を覆していく。  かつて山に囲まれ、月の光さえ届かなかった谷の底で暮らしていた先祖たち。  彼らが苗字を持つことを許された時代に選んだのは、絶望の果てにようやく見上げることのできた、遮るもののない満月への感謝だった。

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エブリスタ
エブリスタ2026/09/05
  • 現在の作品月見里が消える日