あらすじ

妻が、生まれたばかりの赤ん坊を残して消えた。
食卓に残っていたのは、托卵を告白する置き手紙が一枚。八年連れ添った相手に、そういうことをされていたらしい。
まあいい。血が繋がっていなくても、俺が育てる。そう腹をくくって、俺はベビーベッドを覗き込んだ。
我が子は、金属だった。
ピンクと白の、丸っこいロボット。青いランプを二つ光らせて、ぴゅい、と鳴いた。

――そして今、俺はそのロボのために、ミルクを人肌まで冷ましている。温度計とにらめっこして、三十七・〇度。
果たしてこの金属の我が子は、このミルクを飲んでくれるんだろうか。
……四十二歳、市役所勤め。托卵され、嫁に逃げられ、金属の娘にミルクの温度を測っている。

俺はいったい、何をしているんだ。
それでも、この子の親はもう俺しかいない。だったら、やるしかないだろう。

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/05
  • 現在の作品托卵されたと思ったら生まれてきた赤ん坊がロボだったので、逃げた嫁の代わりに育てます