あらすじ
【あらすじ】
母を亡くしてから、どこか色を失ったような日々を過ごしていた十二歳の少女、セツナ・ハーフォード。
父の再婚をきっかけに、架空の国エディルバートの地方都市・ミルシェへ引っ越してきた彼女は、新しい家族にも、新しい街にもなかなか馴染めずにいた。
そんなセツナが出会ったのは、街の古い写真館で暮らす二十歳の女性、ミラ・マクドエル。
よく笑い、距離が近く、頼んでもいないのに構ってくる。
抱きついてきたり、変なことを言ったり、勝手に心配したり。
セツナにとってミラは、最初はただの「変なお姉さん」だった。
けれど、ミラから一台のフィルムカメラを借りたことをきっかけに、ふたりは少しずつ同じ時間を過ごすようになる。
一緒に街を歩き。
写真を撮り。
くだらないことで笑い。
ときにはぶつかり。
セツナは少しずつ、今まで目を向けなかったものを見るようになっていく。
そしてミラもまた、セツナと過ごすことで、六年ぶりに帰ってきた故郷や、自分自身の過去を少しずつ見つめ直していく。
明るく笑っている人にも、
無表情に見える人にも、
ファインダーの外側には、それぞれ抱えているものがある。
喪失を抱えたふたりが、互いを完全には理解できないまま、それでも知ろうとし、見ようとし、少しずつ隣にいられるようになっていく物語。
写真を撮るたび。
言葉を交わすたび。
セツナとミラの世界には、ほんの少しずつ色が増えていく。
【設定】
物語の舞台は、現実とは異なる架空世界。
エディルバート国、フリクシェル州ミルシェ市。
人間のほか、少数だが犬人種《キュニド》、猫人種《フェリド》、熊人種《ウルド》などの獣人たちも暮らしている。
時代の雰囲気は1990年代後半の欧米に近く、スマートフォンやデジタルカメラはまだ一般的ではない。
写真はフィルムが中心。
【キャラ紹介】
セツナ・ハーフォード
主人公。12歳。
長い金髪と青い瞳を持つ少女。
二年前に母親を亡くしており、父親の再婚をきっかけにミルシェへ引っ越してきた。
クールでドライな性格。
他人と必要以上に距離を縮めようとせず、新しい家族にもなかなか馴染めない。
ミラからフィルムカメラを借りたことで、少しずつ写真を撮るようになる。
まだ写真が好きなのかどうか、自分でもよく分かっていない。
基本的にツッコミ役。
ミラ・マクドエル
もう一人の主人公。20歳。
ミルシェの古い写真館「マクドエル写真館」の娘。
青い髪と琥珀色の瞳が特徴。
明るく、自由奔放で、人との距離感がかなり近い。
セツナを見ると抱きついたり頬を触ったりするなど過度なスキンシップを取って仲良くなろうとする
以前は公安で働いていたが、現在は退職し、六年ぶりに実家へ戻っている。
いつも軽い調子で笑っているが、本人にもまだ整理できていない過去を抱えている。
フィオラ・マクドエル
中等部三年生。
13歳
栗色のツインテールと眼鏡が特徴。
ミラの義理の妹。
写真が大好きで、学校に正式な写真クラブを作るため、友人たちとコンクール入賞を狙っている。
陽気でお喋りな性格
カメラや写真機材の話になると急に早口になる。
関西弁でよく喋り、写真を野球に例えたがる。
セツナが学校で最初に親しくなる人物の一人。
ゼオ・マクドエル
15歳。
ミラの義理の弟で、フィオラの実兄。
黒髪と鋭い緑色の瞳を持つ。
15歳とは思えないほど長身で、声も低い。
ぶっきらぼうで口数は少ないが、家事や料理は得意。
騒がしいミラやフィオラに振り回されることが多い。
一見すると近寄りがたいが、マクドエル家では比較的まともな常識人。