あらすじ

水守県月白町、花守地区。 山と川に囲まれたこの小さな集落では、季節が巡るたび、少し変わった生きものたちが姿を見せる。 春、角に小さな花を咲かせる花角。 夏、青い尾で水面に泡を残す泡尾。 秋、木の実を求めて山を歩く大きな蜜熊。 そして冬、雪の気配とともに里へ下りてくる雪玉。 小学三年生の森川ひなたにとって、それは昔から知っている花守の季節の一部だった。 そんなある日の放課後、ひなたは友達のすず、海斗、実、絵麻と一緒に、山の中で古い炭焼き小屋を見つける。 五人で使える秘密基地にしよう。 そう思って中を覗いた小屋には、小さな足跡と薄桃色の花びらが落ちていた。 そして、積まれた木箱の向こうから聞こえてきた、小さなくしゃみ。 どうやら秘密基地には、ひなたたちより先に「先客」がいるらしい。 山で遊び、川へ入り、季節のものを見つけ、ときには大人に教えてもらいながら、知らなかった花守を少しずつ知っていく。 たくさん遊んでお腹がすいたら、秘密基地でパンをかじったり、家へ帰って旬のご飯を囲んだり。 幻獣はペットにはならないし、山は子どもたちだけのものでもない。 それでも毎年、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来る。 去年と同じように見える季節の中で、子どもたちは少しずつ大きくなっていく。 現代日本の山里を舞台にした、秘密基地と幻獣と四季のおいしい日常冒険譚。

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小説を読もう2026/09/06
  • 現在の作品秘密基地には、たまに幻獣がやってくる。