あらすじ
前世でプログラマーだった記録官カイには、別の原因が見えていた。
新しい魔法陣は魔王城で初使用。装備の相性は実戦で初確認。勇者同士の連携も、撤退手順も、失敗したあとの復旧も決まっていない。
「これ全部、本番環境で試してるんですか?」
従来どおり魔王討伐へ送られようとしていた第十九代勇者パーティーを止め、カイは試験場を作り始める。
模擬迷宮、再現魔法、訓練用魔物、事故記録、停止条件。安全に失敗するための仕組みを整えれば、今度こそ全員で帰れるはずだった。
だが試験を重ねるたび、装備は壊れ、魔法は干渉し、仲間たちの恐れと過去があらわになる。
そして魔王城には、魔王を倒したあとにこそ世界を壊しかねない、誰も記録していない仕組みが眠っていた。
世界を救う作戦を、ぶっつけ本番で実行しないでください。
失敗を記録し、仲間を生かし、帰還までを設計する。
これは、勇者を死なせないために「テスト環境」から始める異世界ファンタジー。