あらすじ
○ あらすじ
ベルフォード王国。
魔導による豊かさと、国民の名前・家族・能力・行動を管理する〈王国記録〉によって秩序を保つ、閉ざされた古き王国。
魔導列車が国土を結び、都市には医療と福祉が整い、その統治は長く「善政」と讃えられてきた。
だが、この国で出回る地図には奇妙な余白がある。
描かれているのは鉄道と駅。
線路から外れた土地の多くは、まるで存在しないかのように白く残されている。
そして、傭兵のカイにも完全な名前がない。
人々は彼をカイと呼ぶ。
だが王国記録に残されているのは、
「χ―個体識別番号23486」
という記号と数字だけだった。
カイは若き女剣士ミラとともに、魔物の出没する街道や町で、護衛や討伐の依頼を請け負って暮らしている。
そんな二人のもとへ、ある日ひとつの仕事が持ち込まれる。
十二歳の少年ノアを、指定された場所まで送り届けること。
事情を語らない付き人。
少年を狙う追手。
胸元に下げられた古い鈴。
単純な護衛依頼に見えた仕事は、ノアを「保護」するために現れた王国魔導院監察局の監察官、エレナ・クラウゼルとの遭遇によって大きく動き始める。
ノアを「保護」しようとする王国。
依頼以上の理由で少年を守ろうとする傭兵たち。
そして命令に従いながらも、目の前の証言と〈王国記録〉の食い違いを見過ごせなくなっていく監察官。
記録された者は守られる。
では、記録されない者は――?
ひとつの護衛依頼を境に、彼らは王国が正しいと信じてきた秩序の内側へ、否応なく踏み込んでいく。
これは、魔王を倒して世界を救う英雄譚ではない。
喪失を抱えた者たちが旅の中で出会い、誰かのために戦う理由と、もう一度帰る場所を見つけていく物語。
剣と魔法、魔導テクノロジーが息づく世界で、国家、記録、信仰、名前、記憶、家族、そして愛をめぐる長編ダークファンタジー。
――その鐘は、誰がために鳴るのか。
○ 読みどころ
・「善政の国」が掲げる正しさそのものを問うダークファンタジー
・剣と魔法、魔導技術が共存する世界を旅する群像劇
・復讐ではなく再生。失った者たちが、守るものを見つけていく物語
○ ご案内
noteにも設定資料を、画像付きで公開しています。
・キャラクター紹介
https://note.com/koizumi02_novel/m/m488462ac6f47
・設定資料集
https://note.com/koizumi02_novel/m/me01fbae17965