あらすじ
ミナ・ロウは、くしゃみで戦争を始めた。
七十年の戦争が休戦して一年。旧帝国近衛艦隊の退役式典で演奏を頼まれた、貧乏歌劇団《ノヴァ》の五人。
だが渡された古い式典曲は、艦隊二十四隻を動かすための命令系そのものだった。半音のずれが砲門を開き、大道具を倒せば艦隊が旋回する。しかも式典連鎖は、終演まで手動では切れない。
止めるには、最後まで演奏するしかない。
指揮者は請求書を握り、打楽器は敵国の替え歌を叩き、皇后役のアンドロイドは転びたがっている。
楽譜どおりに吹けば戦争が始まる。楽譜にない音を吹くしかない。