あらすじ

イタリア・シチリア島を舞台にした20代30代女性向け国際恋愛の短編小説。 前後編で完結する読み切り作品です。 三十一歳の日本人女性アヤは、十日間の一人旅でシチリア島シラクーサを訪れる。旅行会社の商品造成でも取材でもなく、一年前から取っていた純粋な休暇だ。東京では店舗ディスプレイの仕事をし、時間と段取りを崩さないことを長所としてきた。しかし最近、仕事でも恋愛でも「先の形が決まらないこと」を避けすぎている。 滞在二日目の夕方。オルティージャのドゥオーモ広場で写真を撮っていたアヤは、石造りの壁を見上げていた地元男性レオに「あと四分」と突然告げられる。意味が分からないまま四分後、傾いた夕日が広場を横切り、白い石が一斉に金色へ変わった。 翌日も、ほぼ同じ時刻に二人は広場で顔を合わせる。 いつしか「夕日が広場へ届いたら、一緒に歩き始める」という約束ではない習慣ができる。市場で食べ、海沿いを歩き、泉の欄干に並び、何も起こらない夕方を重ねる二人。アヤはやがて、旅の終わりより先に、「この人と明日も歩くことを期待している自分」に気づく。 ところがレオ自身も、シラクーサを離れるか残るかを決めかねていた。 これは別れを恐れて距離を置く恋ではない。二人とも近づき続けたまま、まだ決まっていない未来を二人で選べるかを描く国際ロマンス。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/05
  • 現在の作品白い広場が金色になるころ┃イタリア・シチリア島の国際恋愛短編小説