あらすじ
天文二年、一五三三年。
常陸国の名門でありながら、今やかつての勢いを失いつつあった大掾家。
その若き当主・大掾信幹には、一つ大きな悩みがあった。
「信幹ちゃん! 内政チートしよう!」
「姉上、ないせいちーととは何じゃ?」
姉・綾が、どう考えても普通ではないのである。
実は綾は、現代日本から戦国時代へ転生してきた未来人。
戦国時代が大好きだった綾は、未来知識を使って大掾家を豊かにしようと次々に妙なものを持ち込んでくる。
千歯扱き。
唐箕。
石鹸。
新しい料理。
農業改革。
商業網。
果ては、未来の大学まで。
しかし困ったことに、綾が知っているのは大抵「そんなものがあった」という大雑把な知識だけ。
「で、どうやって作るのじゃ?」
「……そこまでは知らない!」
「姉上!」
そんな姉の無茶振りを理解し、戦国時代でも実現出来る形へ直すのは、なぜかいつも弟・信幹の役目だった。
職人に聞き、百姓に聞き、商人に聞き、家臣達と試し、失敗しながら少しずつ形にしていく。
ただ平穏に家族と暮らしたいだけだった信幹だが、姉の未来知識を実用化するたび、大掾家はどんどん豊かになり、商人が集まり、兵は強くなり、周囲の国人達まで味方になっていく。
そして気付けば、大掾家は小田、江戸、佐竹といった常陸の有力勢力からも無視出来ない存在へと成長していた。
戦になれば槍を取り、戦わずに済むなら頭を下げ、困っている者がいれば一緒に解決策を考える。
これは、未来を知る姉と、その知識を現実に変えていく弟が、戦国常陸の片隅から少しずつ国を豊かにし、仲間を増やし、やがて歴史そのものを変えていく物語。
「信幹ちゃん! 次はこれ作ろう!」
「姉上、まず今ある仕事を終わらせてくれ!」
なお、今日も姉の思いつきによって、大掾家の仕事は増え続けている。
注意!! この作品は戦国時代ニワカである作者によるなんちゃって戦国物語です。整合性、史実との違い等は諸々気にせずにお楽しみください。