あらすじ
「最後に、言い残すことは」
「やっていない」
記録係は、ペンを動かさなかった。
無実のまま処刑された男が目を開けると、十二の子どもになっていた。
指をさされて、誰かが「見ました」と言えば、それだけで罪が黒い痣になって身体に浮く世界。
やったかどうかは、関係ない。前世で二年かけて俺を殺した仕組みが、ここでは三秒で終わる。
俺は町中の罪を身体で預かる「罪頭」になった。腕から腹まで、七十四。全部、俺のじゃない。
町は俺に唾を吐き、俺に飯を運ぶ。
そして三年目の朝、俺は二度目の処刑台に立たされる。
無実を証明する方法は、この世界にたった一つ。
——俺のために口を開く人間が、百二人いること。
全5話・完結済み。