あらすじ
生きることしか知らない冒険者、リント・グレイブ。
危険な魔物を相手にする冒険者が、一人で依頼を受けることは少ない。
それでもリントは、一人で依頼を受けてきた。
報酬をもらい、また次の依頼を探す。
そうして二十歳まで生きてきた。
ある日、いつものように向かった森林地帯で、リントは異変を目にする。
深い傷を負ったゴブリン。
そして、その先に倒れていた別の魔物。
ギルドへ戻った彼を待っていたのは、一人の貴族令嬢――ヴェルナ・ローズベルグだった。
森林地帯周辺で増えている魔物を調べていた彼女は、リントが森で見たものに興味を示し、翌日の調査への同行を依頼する。
一人で依頼を受けることが当たり前だったリントは、彼女と二人で森へ向かう。
けれど、調査は思うようには進まなかった。
魔物との戦いで傷を負い、動けなくなったリントを助けたのは、依頼人であるはずのヴェルナだった。
そして翌朝。
街へ戻る二人の前に、これまで見たこともない魔物が現れる。
二メートルを超える身体。
皮膚には、縫い合わせたような痕。
そして、その手足には――
枷と、引きちぎられた鎖が残されていた。