あらすじ
「無能な占星術師など不要だ」――王太子リオネルの誕生パーティーで、公爵令嬢セレスティア・ヴァルデアは、聖女ミラベルを新たな婚約者に据えた王太子から、突然の婚約破棄を突きつけられた。
しかし、彼女は取り乱すことも、泣いて縋ることもしない。ただ一礼し、静かにこう告げる。
「殿下。あなたの寿命は、あと三日で尽きますわ。――なお、苦情は受け付けません」
前世は現代日本で天文物理と統計学を修めた研究者。星の運行が国運を左右する魔法国家に転生した彼女にとって、家宝の『十二星座の占星盤』は迷信の道具などではない。災厄・毒・魔物の襲来を高精度で予測する、精密観測装置なのだ。
データは嘘をつかない。嘘をつくのは、それを読めない人間だけ。
何度警告しても「無能の戯言」と握り潰されてきた三つの予言――王太子暗殺、隣国の侵攻、魔物の氾濫。もう誰にも忠告はしない。彼女は忠実な老家令に見送られ、瀕死の星霊獣とともに、静かに祖国を後にする。
答え合わせは、三日後。
そしてたどり着いた先で出会う、直球すぎる氷竜卿アルデバラン。彼女を「無能」と切り捨てた国と、彼女を「本物」と信じる人々。星が導く先に待つ未来とは――。
痛快な追放ざまぁと、心温まる新天地での物語をお届けする、短編完結の星読み令嬢譚。