あらすじ
「じゃあ、勝負しようよ。ルールは単純──相手にドキドキしちゃった方の負け」
高校一年の天朔燎はある日、クラスメイトであり学年一の美少女である恋瀬ほたるにそんな提案をされた。
二人は勉強でもグループ発表でも、何かにつけて競い合ってきた関係。周囲にもライバルと公言している──が。
(まぁ本当は燎にいっぱいかまってほしいからなんだけどね!)
(たくさん話せて嬉しいとか思ってないけど!?)
この二人、実はお互いのことが気になっている。ものすごく気になっている。
でもお互い負けず嫌いのため一切表には出さず、そんなある日。燎が「ほたるのことを異性として見ているわけではない」と言ったところ……
「別に傷ついてないけど、全く女の子として見られないのはプライドが許さないなー」
ほたるはそう言って、悔しさから『ドキドキしたら負け』の勝負を仕掛けてきた。
当然燎も、ほたるに負けるのは嫌なので受けて立った──のだが。
その勝負、一つ致命的な問題があって。
「燎くん、お顔赤いよ? わたしはこの程度じゃ全然ドキドキしないけどねー」
(うわあああ照れてる燎かわいい! 好き!)
実はこの二人、お互いの内心を表に出してはいないのだが。
──何故か。ほたるの恋心だけは全部、不思議な力で一方的に燎に筒抜けなのだ。
なので、始まった勝負の最中でも……
「きみのこと、メロメロにしてあげる。……あは、冗談♪ 照れた?」
(本当は冗談じゃないんだけど。……ふふーん、こんなにきみが好きってことはまだバラしてあげないもんねー!)
「愛してるよ。──はいわたしの勝ち。こんな言葉だけで赤くなってかわいいねー?」
(好き、ほんとに大好き! ……燎も本当に、私のこと大好きになってくれたらな)
そんな、甘い本心がだだ漏れなことに気づかないまま。
バレていないつもり、勝っているつもりで次々と誘惑を仕掛けてくるほたるなんかに。
……ま、負けないが?