あらすじ
「その火で、借金も焼けるのか?」
妹の身代わりに奴隷となったユウキは、炎の魔法まで奪われた。
目の前で自分の火を操り、笑う奴隷商人。この世界では、奴隷の身体も魔法も、すべて主人のものになる。
妹の待つ家へ帰るすべを失った彼に、同じ檻の少年が言う。
「でも、火は消えてない」
「所有者を変えれば、取り返せる」
少年の名はアオ。記憶を失い、文字も読めない。けれど、その青い目には、人と物を結ぶ〈所有の鎖〉が見えていた。
誰が、何を持っているのか。
誰に命じられ、何を約束したのか。
誰も気に留めない問いを重ねるうちに、奴隷商人の帳簿にも、貴族の取引にも、ほころびが見え始める。
人を奪い、自由を縛る契約。
だが、その決まりに従わなければならないのは、主人も同じだ。
契約で奪われたなら、契約で奪い返す。
「神を殺す」
名前も過去も思い出せないくせに、それだけは言い切る少年。
神が定めた〈律〉を調べ、その支配に挑む彼が、最初に取り返すと決めたもの。
それは、友達の炎だった。
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本作は漫画『神の奴隷』の小説版です。アオとユウキの物語を、漫画でもお楽しみいただけます。