あらすじ
昭和二十八年――一九五三年。
敗戦から八年。冷戦の緊張が東アジアを覆うなか、日本帝国海軍は新たな海軍として再建の道を歩み始めていた。
その象徴として、戦争を生き残った航空母艦「隼鷹」が大改装を経て、軽航空母艦として再び現役へ復帰する。
新設された第一〇一海軍航空隊へ配属された若き海軍士官・相沢慎一が目にしたのは、かつて日本軍と戦った米国製艦上機「アヴェンジャー」に日の丸を描き、米英から海軍航空術を学び直す帝国海軍の姿だった。
旧海軍の記憶を背負う者、新しい海軍を築こうとする者、そして戦争を知らない若者たち。
それぞれの思いを乗せ、隼鷹は再び軍艦旗を掲げる。
これは、敗戦によって一度翼を失った日本帝国海軍が、冷戦という新たな時代の海へ漕ぎ出していく物語である。