あらすじ

「江田島を、箱根を超える大観光地にしてみせる」 そんな型破りな公約を掲げ、広島県江田島市の第四代市長に当選したのは、元バックパッカーで政治経験ゼロの若き世襲議員・岸田太郎だった。周囲からは単なる「国政への踏み台」と冷ややかな目を向けられる中、太郎は本気で島を変えるための、とんでもない「秘策」をブチ上げる。 それは、島に巨大な石炭火力発電所を建設して誘致した工場の電気代をタダ同然にし、爆発的に人口を増やした上で、最終的にドイツ風の合法風俗施設(FKK)を設立するという、前代未聞の国家への挑戦状だった。 百戦錬磨のベテラン秘書・飯島すら唖然とさせる太郎の暴走。しかし、その熱意と奇策は、利権にまみれた政治の世界を、そして立ちふさがる巨大な壁を次々と突破していく。 計画の第一関門は、利権を握る市議会議員たちの懐柔。太郎と副市長の河野は、島へのメガソーラー建設を目論む中国系電力会社「広州電力」が、推進派の議員に仕掛けた「ハニートラップ」の決定的な証拠動画を逆探知によって奪取。これを逆手に取った脅迫返しで議会を掌握し、さらに大手電力会社との心理戦・裏交渉を制して、奇跡的な条件での売電契約を勝ち取ってみせる。 歴史的な円安やカントリーリスクを追い風にした工場の誘致は大成功を収め、江田島は急速に活気と富に満ちた街へと変貌していく。 だが、すべてが順調に見えたその時、最強の敵が立ちはだかる。裏で手を引く広州電力の復讐とも言える、大規模な環境活動家(プロ市民)によるデモの勃発。そして、テレビメディアを味方につけ、甘いマスクで「正義のSDGs」を掲げて太郎を追い詰める次期市長候補・金田誠一の出現である。 四面楚歌の地方ローカル番組、仕組まれた生放送の討論会という名の「公開処刑の場」。悪徳環境破壊市長として祭り上げられた太郎は、日本中、そして世界を敵に回しかねない「地球温暖化の不都合な真実」をカメラの向こうへと言い放つ――。 欲望と倫理、地方自治のリアル、そして国際利権の闇が交錯する。これは、一人の男の狂気的な野望が、利権にまみれた現代日本を揺るがしていく、痛快でスリリングな政治・経済エンターテインメント小説である。

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小説を読もう2026/09/05
  • 現在の作品江田島大観光地計画