あらすじ
毎朝七時五十二分。
いつもの道の、いつもの角から現れる彼。
名前も知らない。声も知らない。
ただ毎朝すれ違うだけなのに、いつしか彼に会えるその時間が、一日の中でいちばん楽しみになっていた。
声をかける勇気なんてない。
でも、もしあの角で偶然ぶつかることができたなら…
そこから恋が始まるかもしれない。
そんな妄想を繰り返していた私の前に、ある日、小さなキューピッドが現れる。
「任せておいて! 恋に大切なのは、偶然なの」
こうして始まった「偶然の出会い作戦」。
ところが、大風が吹いたり、大雨が降ったり、犬が飛び出してきたり……
キューピッドがどれだけ頑張っても、なぜか二人は出会えない。
一度、二度、十度、二十度。
何十回と繰り返しても、二人はただすれ違っていく。
これは単なる偶然?
それとも…
恋する女の子と、ちょっぴり自信過剰なキューピッドが繰り広げる、少し不思議な恋のショートショート。