あらすじ
放課後の教室から、片思いしていた同級生・水野香澄とともに異世界へ転移した佐原悠真。
転移から四か月。勇者一行の一員として旅を続けていた悠真は、香澄から勇者セインと恋人になったことを告げられる。
二人は悠真を裏切ったわけではない。だからこそ誰かを恨みながら隣にいるのではなく、自分の人生を歩きたい。悠真は一行を離れ、まだ見たことのない南の海を目指す。
彼の特典は、どこにいても入れる異空間の住居《旅人の家》。安全な寝床と収納だけと思われていた家は、悠真が自分で行き先を選んだことで、旅先に応じて成長し始める。
寄り道を楽しみ、元の世界へ帰る手掛かりを探しながら、今度こそ自由に生きていく――そのはずだった。
夜になると光る湖で、悠真は瀕死の魔族の女性を見つけてしまう。
見捨てれば予定どおりの旅を続けられる。助ければ、彼女が抱える事情まで背負うかもしれない。それでも悠真は、《旅人の家》の扉を開いた。
失恋から始まった一人旅が、訳ありの同行者と一つ屋根の下で暮らす、少し危険で不思議な二人旅へ変わっていく物語。