あらすじ
★漫画原作脚本★
【作品コンセプト】
パレットが織りなす世界
この世界の人々は七歳の《祝福の儀》で神具《パレット》を授かり、色玉から生まれる妖精の力を借りて魔法を使う。
パレットには一〜五個の《色槽》があり、色槽一つにつき一体の妖精を宿せる。色槽の数は、同時に扱える色《妖精》の数を示している。
色槽の数が多いほど、複数の魔法を同時に使えるため、優れたパレット使いとされる。一般的には一から二、三になってくるとレア。最大で五の色槽を持つ者は優れた大魔法士と言われる。
色玉は、妖精が生まれる前の魔法媒体である。一つの色玉は一つの色と性質しか持たず、赤の色玉からは炎の妖精、青の色玉からは水の妖精、黄色の色玉からは雷の妖精が生まれる。
色玉は非常に希少である。
色玉が自然に生まれるのは、魔素が濃く集まる迷宮や、強力な魔獣が棲む森など、危険な場所に限られる。そのため、色玉は高値で取引され、平民が手に入れることは容易ではない。
パレットを持つ者は、色槽に色玉を装着することで、色玉と妖精を安定させ、妖精の力を借りて魔法を使う。
そのため、パレットを持たない者は、色玉を扱うことも、妖精を呼び出すこともできない。
しかし、ルカだけは違った。
七歳の祝福の儀でパレットを授からなかったルカは、通常なら色玉に触れられないはずだった。
八歳になったある日、ルカは父の仕事を手伝って森へ入る。
そこで、魔獣に襲われた採取人が落とした赤い色玉と青い色玉を偶然見つける。
その後、森を彷徨い透明な色玉を見つける。
透明な色玉から生まれた妖精・トワは、通常の色玉とは異なる《媒介核》だった。
トワは、色玉と人間の間にある魔力の境界をつなぐ性質を持つ。
そのため、トワに選ばれたルカだけは、パレットを持たないにもかかわらず、色玉に直接触れられる。
ただし、色玉は希少であり、ルカが自由に何個も持っているわけではない。
ルカが最初に手に入れるのは、森で偶然見つけた赤い色玉と、採取人が落とした青い色玉の二つだけ。
どちらも、命がけで手に入れた貴重な色玉だった。
ルカは、トワの力によって初めて二つの色玉に触れ、偶然それらを同時に握る。
その瞬間、ルカの体内にある《空白の魔力》が反応する。
パレットを持つ者の魔力は、色を一つに固定し、色玉を分けたまま安定させる。
一方、ルカの空白の魔力は、色を固定する性質を持たない。
そのため、ルカが二つの色玉に同時に触れたとき、色玉同士の境界が溶け、異なる色が一つに混ざる。
――パレットを持たない少年だけが、色玉に触れ色を混ぜられる。
それは、この世界の魔法体系を根底から覆す力だった。
【魔法体系の基本ルール】
1. 色玉(ゴルフボールくらいの大きさの丸い玉)
色玉は、妖精が生まれる前の核となる魔法媒体である。
一つの色玉は、一つの色と性質しか持たない。
赤の色玉:炎の妖精
青の色玉:水の妖精
黄色の色玉:雷の妖精
その他の色玉:色ごとに異なる性質の妖精
色玉は、迷宮や魔素の濃い森など、危険な場所でしか自然発生しない。
そのため非常に希少で、高値で取引されている。
平民が色玉を手に入れるには、自力で危険な採取現場で偶然見つけるしかない。
色玉は通常、パレットを持つ者の魔力に反応して実体化する。
パレットを持たない者が触れようとしても、色玉は何も反応しない。カラー妖精も生まれてこない。
色玉から妖精が生まれると、その色玉は妖精とパレットの間を循環する魔力の核となる。
2. カラー妖精
カラー妖精は、色玉から生まれる魔法生命体である。
カラー妖精はそれぞれ一色の性質を持ち、対応する色の魔法を司る。
炎の妖精は炎を操る
水の妖精は水を操る
雷の妖精は雷を操る
妖精は単独では大きな魔法を使えない。
人間がパレットの色槽に色玉を装着し、妖精と契約することで、妖精の力を安定して借りられる。
妖精を呼び出すには、パレットと色玉の両方が必要である。
妖精が一度呼び出された後も、色玉はパレットとの魔力循環によって維持される。
パレットを持たない者が妖精を呼び出すことは、本来できない。
ただし、ルカは透明な色玉から生まれたトワの媒介によって、混色後の色玉から一時的に妖精を呼び出せる。
その妖精は、通常の契約妖精より不安定で、色玉が壊れたり元の色へ戻ったりすると消滅する。
妖精同士を同時に呼び出すことはできるが、妖精の力そのものを混ぜることはできない。
赤の炎と青の水を同時に放つことは可能だが、それによって紫の炎や新しい属性が生まれることはない。
混色が起こるのは、妖精ではなく、妖精が生まれる前の色玉である。
3. パレット
パレットは、色玉を実体化させ、妖精と契約し、魔力を安定させる神具である。
パレットには一〜五個の色槽がある。
色槽一つにつき、一つの色玉と一体の妖精を登録できる。
⚪︎一色パレット:一色の妖精を扱える
⚪︎二色パレット:二色の妖精を同時に扱える
⚪︎ 三色パレット:三色の妖精を同時に扱える
⚪︎四色パレット:四色の妖精を同時に扱える
⚪︎五色パレット:五色の妖精を同時に扱える
色槽数は、扱える色の種類と同時使用数を示す。
パレットには、次の三つの役割がある。
1. 色玉を実体化させる
2. 色玉を色槽に固定する
3. 色玉と妖精の魔力を循環させる
パレットは色を「分けたまま安定させる」ための道具であり、色を混ぜる機能は持たない。
むしろ、パレットの魔力は色玉同士の反発を強めるため、パレットを持つ者が色玉を混ぜようとしても、色玉は互いに弾き合う。
パレットを持つ者は色玉を扱えるが、色玉そのものを自由に変質させることはできない。
ルカはパレットを持たないため、通常の方法では色玉を実体化させられない。
しかし、透明な色玉とトワの媒介によって、例外的に色玉へ直接触れられる。
4. 透明な色玉とトワ
透明な色玉は、通常の色玉とは異なる特殊な魔法媒体である。
通常の色玉が一つの色と性質を固定しているのに対し、透明な色玉には特定の属性がない。
透明な色玉は、色を持たないのではなく、他の色を受け入れるための《空白》を持っている。
透明な色玉から生まれるトワは、炎や水、雷のような単一属性の妖精ではない。
トワは、色玉と人間の魔力をつなぐ《媒介妖精》である。
トワには、以下の性質がある。
⚪︎パレットを持たない者にも、色玉を実体化させられる
⚪︎色玉と人間の間に魔力の通路を作る
⚪︎異なる色の魔力を一時的につなぐ
⚪︎混色によって生まれた新しい色を認識できる
⚪︎ ただし、混色そのものを単独で起こすことはできない
トワがルカを媒介者として選んだことで、ルカは初めて色玉に触れられるようになる。
ただし、トワがそばにいなければ、ルカは色玉を実体化させられない。
5. 混色
混色とは、異なる色玉を一つに溶かし、新しい色玉を生み出す現象である。
パレットを持つ者は色玉を扱えるが、パレットの固定魔力によって色玉同士が反発するため、混色はできない。
つまり、この世界では、
⚪︎パレットを持たない者は、色玉に触れても何も起こらない
⚪︎パレットを持つ者は、色玉に触れられるが、混ぜられない
という二重の制約がある。
ルカは、トワの媒介によって色玉に触れられる。
さらに、ルカの空白の魔力には、色を固定せず、異なる性質を受け入れる力がある。
そのため、ルカが異なる色玉を同時に握ると、色玉同士が反発せず、境界が溶け合う。
ただし、ルカが最初から大量の色玉を持っているわけではない。
色玉は希少で高価なため、ルカが自由に使えるのは、物語の序盤では偶然手に入れた二つだけである。
⚪︎赤+青=紫の色玉
⚪︎赤+黄色=橙の色玉
⚪︎橙+青=三色を含む未知の色玉
赤と青の色玉を混ぜることができたのは、ルカが森で偶然手に入れた二つの色玉を、トワの媒介によって初めて同時に握ったからである。
その成功は、計画された実験ではない。
ルカ自身も、何が起こるのか分からないまま、追い詰められた状況で二つの色玉を握る。
その結果、偶然にも混色が発生する。
混色によって生まれた新しい色玉からは、新しい色の妖精が生まれる。
ただし、混色はルカの意思だけで完全に制御できるわけではない。
色の組み合わせ、混ぜる順番、魔力の量、ルカの精神状態によっては、爆発や暴走が起こる。
また、混色の色玉は、ルカの空白の魔力によって一時的に形を保っているにすぎない。
ルカが手を離したり、トワが媒介を弱めたりすると、色玉はひび割れ、元の色玉へ分離することがある。
6. ルカの能力
ルカはパレットを持たないため、通常の魔法使いのように、パレットの色槽へ色玉を登録して妖精と契約することはできない。
その代わり、トワの媒介によって色玉を実体化させ、直接触れることができる。
さらに、ルカの空白の魔力によって、異なる色玉を混ぜ、新しい色玉を作ることができる。
ただし、ルカが自由に色玉を集められるわけではない。
色玉は迷宮や魔素の濃い森でしか手に入らず、採取には危険が伴う。
また、色玉は高価であるため、平民のルカが購入することもできない。
そのため、ルカは物語の序盤では、偶然手に入れた色玉や、魔獣との戦いの中で拾った色玉だけを使う。
ルカが魔法を使う手順は、通常の魔法使いとは異なる。
1. トワが色玉を実体化させる
2. ルカが色玉に直接触れる
3. ルカが一つ、または複数の色玉を混ぜる
4. 新しい色玉が生まれる
5. 新しい色玉から妖精が生まれる
6. ルカがトワの媒介を通して、妖精の力を一時的に引き出す
ルカの魔法には、以下の特徴がある。
♦︎パレットの色槽数に制限されない
♦︎ただし、手元にある色玉の数と種類に制限される
♦︎色玉は希少で高価なため、無駄にできない
♦︎トワが近くにいなければ色玉を扱えない
♦︎色玉を直接持っていなければ魔法を使えない
♦︎混色には時間と集中力が必要
♦︎混色に失敗すると爆発する
♦︎新しい色の妖精は、既存の妖精より不安定
♦︎混色の色玉は、一定時間が経つと元の色玉へ分離することがある
♦︎混色の順番によって、同じ色の組み合わせでも性質が変化する可能性がある
ルカは「色を同時に使う」のではなく、「色そのものを新しく作る」。
この違いが、通常の魔法使いとルカの決定的な差である。
【登場人物】
♦︎ルカ・アルデン 8歳
平民の少年。
真面目で努力家。両親思いで、人の悪口を言わない。
七歳の祝福の儀でパレットを授からなかったため、「無色」と呼ばれている。
魔法を使えないことを恥じているが、諦めることだけはしない。
本来、パレットを持たないルカは色玉に触れても何も起こらない
しかし、透明な色玉から生まれたトワに媒介者として選ばれたことで、例外的に色玉を実体化させ、カラー妖精を誕生させる。
ただし、色玉は希少で高価なため、ルカが大量に所有しているわけではない。
物語の序盤でルカが手に入れるのは、魔獣に襲われた採取人が落とした赤と青い色玉の二つだけである。
その二つを偶然同時に握ったことで、初めて混色を成功させる。
さらに、ルカの体内にある《空白の魔力》によって、異なる色玉を混ぜ、新しい色玉を作ることができる。
ルカの力は、パレットを持たないことそのものが直接の原因ではない。
パレットを持たないことで、色を固定するパレットの魔力に縛られず、トワの媒介と空白の魔力を受け入れられることが、能力の成立条件である。
♦︎トワ
透明な色玉から生まれた妖精。
ルカにしか見えない。
通常の色玉は一色の性質を持つが、透明な色玉には特定の属性がない。
トワは炎や水、雷のような単一属性の妖精ではなく、異なる色の魔力を受け入れ、人間と色玉をつなぐ《媒介妖精》である。
トワがルカを選んだことで、ルカはパレットを持たないにもかかわらず、色玉に直接触れられるようになった。
明るく好奇心旺盛で、少し生意気。世界の理をルカに教える存在。
パレット世界の魔法について詳しいが、なぜ自分が透明な色玉から生まれたのかは知らない。
ルカの能力を「すごい」ではなく「面白い」と捉える。
♦︎トーマ・アルデン
ルカの父。
木こりを生業とする平民。
魔素の濃い森の近くで働いているため、色玉採取人の護衛や、採取現場の道案内を頼まれることもある。
色玉の価値と危険性を知っている。
無口だが息子を深く愛している。
♦︎ミナ・アルデン
ルカの母。
優しく芯の強い女性。
パレットを授からなかったルカを、一度も恥じたことがない。
色玉が高価で、平民には簡単に手に入らないことを知っているため、ルカが魔法を使えないことを責めたことはない。
♦︎エリナ
ルカと同年代の少女。
三色のパレットを持つ。
三つの色槽に、赤・青・黄色の色玉を登録している。
炎・水・雷の三体の妖精と契約しており、三種類の魔法を同時に扱える。
裕福な商家の娘。
家が色玉を扱う商売をしているため、色玉の価値と希少性を理解している。
魔法の才能を鼻にかける子供たちとは違い、努力している人間を馬鹿にしない。
ルカの最初の理解者になる。
♦︎ガルド
町の魔法士。
二色のパレットを持つ。
二つの色槽に異なる色玉を登録し、二体の妖精を同時に扱える。
色玉に直接触れるにはパレットが必要だと信じている。
「色を混ぜる」という概念を知らない。
色玉が希少で高価なことも理解しているため、ルカが複数の色玉を持っているとは考えず、最初は「誰かから盗んだのではないか」と疑う。
ルカの異常な力を最初に目撃する大人。