あらすじ
山から流れ、田を潤し、人々の命を支えてきた水。
その水の音が、ある朝、伊勢原から消えた。
水は流れている。
それなのに、音だけがない。
伊勢原大神宮に仕える祓巫女、榊音は、その異変の中で、水の底から不思議な声を聞く。
「まだ、国は返っていない」
それは、古き神話に記された「国譲り」にまつわる言葉だった。
やがて大山から黒い霧が現れ、伊勢原の地に眠る古き歪みが動き始める。
光、雷、癒、火。
四つの社に選ばれた十六人の神使たち。
神々と人がまだ近くにあった時代。
都の力が遠のき、武士たちが力を持ち始めた時代。
人の世が変わろうとするその裏で、古代から続く神々の物語もまた、動き始めていた。
これは、神に選ばれた少女たちと少年たちが、
失われた未来を取り戻すために戦う物語。
そして、榊音が「守る」という言葉の本当の意味を知る物語である。