あらすじ
「凄いぞマオデキ! 魔法が使えるなんて天才だ!」
剣術しか取り柄のない辺境の村で、唯一回復魔法を使えたマオデキ・セイバ。十六歳。
村中から天才ともてはやされた彼は、長老が勝手に送った履歴書によって、不本意ながら王都へ行くことになった。
そして、宮廷魔法士になることに。
ところが――。
「俺の魔法がG級判定……?」
王都ではまさかの最底辺判定。
やっぱり田舎者なんてこんなものか。
そう納得して、気のいい仲間たちと楽しく働いていたマオデキだったが、ある日の討伐任務でC級モンスター『鋼鉄ゴブリン』が出現する。
魔法が効かず、前衛の剣士たちも全滅。
仲間を守るため、マオデキは仕方なく落ちていた剣を拾った。
ザクン!
強固な鎧ごと一刀両断。
G級魔法士がC級モンスターを剣で倒したという報告に、宮廷は騒然となる。
しかし本人は、
「やっぱり魔法士が剣なんか使ったら恥ずかしいよな……田舎の剣技だし」
と盛大な勘違い。
なぜならマオデキの故郷では、これくらいの剣術は『普通』だったからだ。
父も、母も、村人も。
実はみんな、王都基準なら達人クラス。
しかも彼らが暮らしている森は、王国が決して足を踏み入れてはならないと恐れる禁忌の魔境。
村人たちは王都が恐れる凶悪なモンスターを狩って暮らしていた。
だが、田舎者のマオデキはそんなことを知る由もない。
「都会って凄いなぁ……」
これは、自分を平凡だと思い込んでいる田舎者が、宮廷で少しずつ『故郷の普通』を披露してしまう、勘違いファンタジー。