あらすじ

「合わない剣は、売れません」 腕は確かだが、商売は下手。 五代目の名を継いだ鍛冶職人カイの工房は、今日も金箱が軽い。 隣の長椅子では、師匠の娘ノアが毛布にくるまっている。 「自分で梳け」 「寒い」 「炉の前だぞ」 文句を言いつつ、結局は寝癖を直してやる。 そんな手のかかる相棒が、カイに内緒で魔物を狩り、工房の炭代を稼いでいるとも知らずに。 その腰には、カイが「護身用に」と渡した刃がある。 そこへ十年ぶりに現れた幼馴染セラは、昔の約束を覚えていた。 「五代目。約束を取り立てに来ました」 頼まれたのは、今の彼女に合う剣を作ること。 一度作れば完成、とはいかない。 使った柄の減りを見て、刃を直して、また渡す。 何度でも相手の手を見るカイは、すぐ隣のノアには、確かめられずにいることがある。 口は減らず、金は増えず。恋の話になると、なおさら仕事が進まない。 不器用な鍛冶職人と寝てばかりの相棒が、小さな工房で今日も暮らす、仕事と秘密と恋のファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/09/05
  • 現在の作品五代目工房と、寝てばかりの相棒(新)