あらすじ
舞台は平安末期、日本のどこよりもギスギスした国境の無法地帯――武蔵国南端・常盤荘。
開墾した美田を狙うのは、歩くピンハネ徴税マシンである冷酷な国司。それを物理的な暴力で返り討ちにせんとするのは、凶暴な地元ヤクザ武士団。
血の匂いが立ち込める最前線へ、武器を持たずにひょっこり現れたのは、弱冠19歳の地頭代・千代丸だった。
武芸の才能は完全なるゴミ。だが、彼の懐にはいつも「しわくちゃの干し瓜」があり、その瞳には誰もが毒気を抜かれる邪気のない奇跡が宿っていた。
元京都の裏金財務エリートの「爺や」が仕込む法律の抜け穴と、先祖伝来の大弓を持つ冷徹な暗殺者の「銃口」を背後に背負い、千代丸は口先ひとつで国家のシステムをハッキングしていく!
「正義なんてクソ喰らえさ。お互いちょっとずつカッコ悪いままでさ、明日も一緒に生きていこうよ」
これは、不条理な世界を優しい嘘でまるく収める、泥臭くも圧倒的に熱い人間讃歌の物語である。