あらすじ
満月の夜、月は人間の嘘を映すという。
だから「ぼく」は、満月の夜には誰とも話さない。
本当ではない言葉を、月に知られてしまうから。
誰かを好きになることができない。
それでも、月の下で誰かに想いを告げることには、ずっと憧れていた。
ある夜、「ぼく」はひとつの嘘を胸に、月を見上げる。
好きでもない人を好きだと言うこと。
誰かを好きになれない自分でいること。
そして、それでも叶えたかった、ささやかな夢のこと。
月の光の下で、少年は自分自身と向き合う。
これは、嘘と孤独と、名前のつかない感情についての、ひとつの夜の物語。