あらすじ
戦火が故郷の集落まで迫り、愛梨朱は恋人の琉偉寿と離れて山中の洞窟へ逃げ込んだ。
そこには機織り機を前にした桃色の女と、腹を食い破られた黒い雄牛の奇妙な像がある。
やがて雨の山道で、愛梨朱は琉偉寿と再会する。
だが現れたのは、彼の姿ではなかった。
緑色の眼球。
黒い蛇。
雄牛の像。
琉偉寿のものではない声で囁かれる「好きだ」という言葉。
真実を知る敵軍から告げられたのは、あまりにも残酷な真実だった。
⋯⋯全てを知ったはずの愛梨朱のもとへ、夜の闇から再び琉偉寿の声が届く。
「愛梨朱、愛している」