あらすじ
一ヶ月前に赴任してきた上司の竹居。かつて同期トップを争い、いまやキャリアで差をつけられた彼は、社内で一人だけ私を旧姓の「長峰」と呼び、ねっとりとした視線を注ぎ続けていた。
飲み会での不躾な手つき。そして、二人きりとなった残業中の密室——。
「俺の気持ちわかってたくせに」
剥き出しの執着を露わにした竹居は、私を壁に押しつけ、強引に唇と身体を蹂躙していく。
下着を剥ぎ取られ、夫との素朴な性生活までを嘲笑される屈辱。
だが、歪んだ情念をぶつけ、恍惚の表情で身を躍らせる竹居の姿を見つめるうち、私の中で冷徹な何かが覚醒する。
「……この男、バカみたい」
身勝手な欲望を押し付ける男の哀れな本性と、理不尽を冷ややかに一蹴する大人の女性の尊厳。残業密室で繰り広げられる、切なくも爽快な心理逆転劇。