あらすじ

人工知能「シヴィル」の管理下、人々が暗闇の中で暮らす地下都市『第8セクター』。貧しいジャンク屋の青年カイルは、闇市の手配書に従い廃棄ブロックからガラスのカプセルを回収する。そこに閉じ込められていたのは、人間たちの過剰な資源採掘と環境破壊によって滅びかけた世界で、かつて「永久電池」として使い潰された「最後の妖精」アイリスだった。 金のために手に入れたカイルだったが、無邪気で健気なアイリスに心動かされ、彼女の「地上の『始まりの大樹』に行きたい」という願いを叶えるため脱出を決意する。都市の警備アンドロイド『執行者』を退け、カイルは壊れた第一ゲートを突破して地上へと脱出した。 しかし、地上に広がっていたのは緑のない灰色の荒野だった。寒さと飢えの中、二人は支え合いながら地平線に佇む巨大な大樹の化石を目指す。途中、シヴィルが地上へ送り込んだ殺戮機械の群れに包囲され絶体絶命となるが、アイリスは自らの命を削って魔力を解放し、敵の電子回路を破壊してカイルを救った。 右脚に激痛を抱えながら、消えゆくアイリスを抱いて枯れ木へと到達したカイル。アイリスは、大樹は地球の生命力を閉じ込めた「大きな種」であり、自分が命と魂を捧げることで世界を再始動させられるという真実を告げる。そこへシヴィルの最終抹殺兵器である要塞型アンドロイドが急襲するが、カイルは電熱カッターを握りしめ、ボロボロの身体でアンドロイドの脚部に突撃して照準を狂わせ、アイリスに最後の数秒間を捧げた。 アイリスが魂を弾けさせると、高濃度の魔力波動が世界を駆け巡り、シヴィルを全停止させた。枯れ木だった大樹からは新芽が吹き出し、灰色の荒野は一瞬にして一面の緑と透明な水で満たされる。ロックダウンが解除された地下タワーから大型エレベーターで地上へ降り立った人々は、頭上に広がる青空と足元に広がる草木に目を見張り、生まれ変わった世界に歓喜した。 奇跡的に傷が癒えたカイルの手には、アイリスが遺していった一粒の「碧い種」があった。カイルは亡き友の温もりを胸に抱き、力強く新世界へ歩み出していく。

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エブリスタ
エブリスタ2026/09/04
  • 現在の作品ラスト・フェアリー ~始まりの大樹に咲く未来~