あらすじ
俺は、死んだ覚えがない。
三十六歳の会社員・高橋悠一が最後に覚えているのは、暗闇の中で正体不明の何かに問われ、「YES」を選んだことだけ。
次に目を開けた時、彼はアドリス・ライラスという赤子になっていた。
優しい父セルウィスと、教育熱心な母ステラ。
二度目の人生で得た家族に愛され、聖騎士を夢見ていたアドリスの日常は、八歳のある日、山賊の襲撃によって壊される。
両親を殺され、自らも死を覚悟したその時。
彼を救ったのは、大剣を振るう冒険者ガイルと、その仲間たちだった。
ガイルから学ぶ、実戦で生き残るための剣。
魔術師ダイスから学ぶ、魔元素を操るための基礎。
アドリスに桁外れの魔力量や、すべてを焼き払う火力はない。
だが彼には、魔元素と魔力を異常なほど鋭く感じ取り、精密に制御する資質があった。
その力はやがて、本来一つに偏るはずの属性の壁さえ越えていく。
最初から最強ではない少年は、理不尽な事件と出会いを重ねながら、一歩ずつ生きる力を手に入れていく。
なぜ、死んだ覚えのない自分が転生したのか。
あの時選んだ「YES」は、何を意味していたのか。
二回目の人生は、自分で決める。
これは、すべてを失った少年が仲間と出会い、自分の人生を選び直す物語。