あらすじ
憧れたお伽噺(ファンタジー)は、俺たちを殺そうとしていた。
銃声と悲鳴が交錯するニューロッパの惨状。
ボルトアクション小銃《GeW13》を手に、泥まみれの塹壕で今日を生き延びるだけの泥臭い兵士。
エルフ、オーク、コボルト——絵本の中の存在は、人類を効率よく屠る殺戮兵器として襲いかかる。
友を失い、泥を舐め、生存本能だけで死線を潜り抜けた男は、戦場で「本物の英雄」と出会う。
純白の甲冑を纏う竜殺しの騎士、ヤスカヤ支隊。
「俺たちは逸れものだ。一緒に来れば地獄を見るぞ」
「地獄なら、もう飽きるほど見てきた」
無名の歩兵は、泥で汚れた銃を抱え直し、英雄たちの背を追う。
これは、綺麗事を銃爪(ひきがね)でぶち破り、地獄の底から己の物語を書き叩きつける男の泥濘(でいねい)戦記。