あらすじ
赤城ひいろの十三歳の娘・りんごには、母に言えない秘密がある。
実は最近、妖精と契約して魔法少女になったのだ。
夜になると家を抜け出し、仲間の山吹こはく、先輩魔法少女の蒼井瑠璃、藤咲芽衣とともに、町を襲う怪物と戦っている。
もちろん、母親には秘密のつもりで。
――だが、ひいろは全部知っていた。
なにしろ彼女自身、二十五年前に魔法少女だったのである。
しかも魔法少女だったのは、ひいろだけではない。
瑠璃の母・蒼井結月、こはくの母・山吹きい、芽衣の母・藤咲四葉。
四人とも、かつて一緒に町を守った元魔法少女だった。
娘たちが魔法少女になること自体は、まあいい。
自分たちにも覚えがある。
問題は――。
「それで、りんごたち、いくらもらってるの?」
「……はい?」
二十五年前、活動報酬、治療費、装備費、交通費、危険手当その他諸々を妖精側から勝ち取った「魔法少女互助会」が、いま再び動き出す。
娘たちが夜の町で怪物と戦っているころ。
母親たちはリビングで妖精を囲んでいた。
「契約書を見せてください」
元魔法少女、現役弁護士・蒼井結月が微笑む。
少女には少女の戦いがある。
母親には母親の戦いがある。
これは、世界を守る魔法少女と――
そんな娘たちの待遇を守る、元魔法少女のお母さんたちのお話。