あらすじ
日本各地にダンジョンが存在し、探索者という職業が当たり前になった時代。
山と田んぼしかないド田舎で育った少年――天城悠真は、大学進学を機に東京へ引っ越すことになった。
悠真の故郷にも小さなダンジョンがあり、幼い頃から山菜採りや犬の散歩のついでに潜るのが日常だった。
巨大な狼を追い払ったり。
畑を荒らすオーガを倒したり。
山奥に住み着いたドラゴンを追い返したり。
悠真にとっては、どれも田舎ではよくある話だった。
ところが上京して初めて訪れた都会のダンジョンで、悠真は違和感を覚える。
「……あれ? ここの魔物、ずいぶん弱くないか?」
大学生探索者たちが苦戦する魔物を一撃で倒し、熟練探索者でも危険とされる階層を散歩気分で突破していく悠真。
そして周囲から告げられた。
「お前が地元で倒してたそれ、全部災害級モンスターだからな?」
どうやら悠真の故郷は、日本でも屈指の超高難度ダンジョン地帯だったらしい。
しかも本人は、自分が強いという自覚がまったくない。
大学生活。
初めてできた友人。
都会の美味しい店。
そして、田舎とは比べものにならないほど簡単なダンジョン。
悠真は普通のキャンパスライフを送るつもりだった。
しかし、そんな彼を探索者ギルドも、大学の探索サークルも、トップ探索者たちも放っておいてくれるはずがなく――
これは、魔境の田舎で育ったせいで常識が完全に壊れている青年が、都会で無自覚に無双してしまう物語。