あらすじ
■ジャンル・主な読者価値
・現代ダンジョン×探索配信×罠オタク×ほんわかキャラクターコメディ。
・罠を愛しすぎて、自分から罠にかかりに行く有能ポンコツ主人公。
・超常存在、人気配信者、ギルド職員まで、すごい人物が次々と「変なお友達」になっていくノーストレスな人間関係。
・罠の構造を一目で見抜き、自作のランダム罠コースすら完全攻略する、専門分野限定の主人公無双。
・配信コメントやSNSをツッコミ役として使い、女の子同士のほんわかした空気を壊さず、状況の異常さとギャグを伝える。
・「罠の良さを広めたい」という明確で小さな目的が毎話の満足度を作る。
■ログライン
・罠が好きすぎて自分から罠にかかりに行く探索配信者・和梨ことはが、人気配信者の幼なじみや、不明階層に住む願いを叶える少女と黒竜たちと友達になりながら、誰も見ていなかった罠遊びを少しずつみんなの遊びにしていく現代ダンジョンコメディ。
■追いかけたくなるメインキャラクター
・和梨ことは――罠にはまりたくて仕方がない、有能ポンコツ罠師
視聴者0人でも罠の魅力を広めるため配信を続ける少女。珍しいトラバサミを見つければ、危険性を説明したうえで自分から踏む。
未知の階層へ飛ばされても、財宝や伝説級の剣、巨大な黒竜より罠を優先。ダンジョンの正体を教えられても反応は薄いが、「罠にも作った人がいる」と知れば「話してみたいなぁ」と目を輝かせる。
一方、罠の知識と技術は本物。構造やわずかな違和感から作動機構を見抜き、魔物を罠で倒し、配置がランダムに変わる自作罠コースも一度も作動させず攻略する。
しかし、褒められて照れた拍子に罠を踏むなど、最後はだいたいポンコツ。「すごい罠師」と「罠にはまる変な女の子」を同時に楽しませる主人公である。
本人が求めるのは名声ではなく、「罠って面白い」と思ってもらうこと。ことは自身は変わらないまま、周囲の人々がその楽しさを発見していく。
・水無月カグヤ/ミナ――ことはを自慢したい人気探索配信者
人気探索配信者・水無月カグヤ。ことはとは幼稚園からの付き合いで、普段はミナと呼ばれている。
ネットや配信に疎いことはへ「私が見るまで全部詐欺」と教える常識人であり、主なツッコミ役。一方、ことはたちが楽しそうなら「ま、これはこれでいいか」と受け入れる。
探索者としても実力者だが、ことはの罠に関する異常な能力を誰より理解しており、配信では「見てて。すごいんだよ、この子は」と自慢する。ことはを矯正する人物ではなく、その魅力を一番近くで知る親友。
・かなえちん&トラさん――世界の秘密より先に友達になる超常存在
かなえちんは、不明階層に住む願いを叶える少女。ダンジョンを管理する側に近い規格外の存在だが、本人は気楽で、「お友達特典じゃ」とルールを適当に運用する。
願いの話になると無駄に発光し、本名を聞けないことはから「かなえちん」と名付けられると即座に気に入る。
トラさんは巨大な黒竜。ことはにもらったトラバサミを大切にし、スマートフォンを扱うため小柄な少女へ変身する。人見知りだが、ことはとその友達には素直に懐く。
二人は世界観上は重大な超常存在だが、物語上では「ことはの変な友達」。同接2人の初配信を心から楽しみ、フォロワーが一人増えただけで喜ぶ。
■物語のアイデアと、それが生む面白さ
本作の中心は、徹底した「ほんわか世界」である。
人気配信者、願いを叶える超常存在、巨大な黒竜、ギルドの高位職員など、本来なら主人公の地位向上、無双、世界規模の事件へつながる強い要素を、すべて「変なお友達が増えました」という日常へ吸収していく。
ことはは不明階層へ飛ばされ、世界の秘密を知り、人気配信者とコラボし、罠師として圧倒的な能力を見せる。しかし、それらを事件化して読者の感情を大きく上下させない。みんなで金平糖を食べ、配信をし、ことはが最後に自分で罠を踏んで少し笑う。「色々起きているのに、何も起きていない」安心感を継続的な読者価値にする。
一方、ほんわかした人物だけでは状況の異常さが伝わりにくい。そこで、ミナ、配信コメント、SNS、ギルド男性職員などへツッコミを外部化する。女の子同士の空気を壊さず、「いや、それ普通じゃないから」という読者の感覚も作品内へ残す。
また、ことはには「罠の良さを広めたい」という明確な目的がある。大事件を解決しなくても、誰かが「罠って面白い」と思えばその回は成功になる。第1話の同接0から、第5話では他の配信者まで《罠チャレンジ》を始める。この小さく明確な達成を積み重ねることで、ノーストレスな日常にも継続的な満足を作る。
罠そのものでは、構造や作動原理を読み解く専門性、魔物への利用や完全回避による無双、罠を愛しすぎて本人まで引っかかるポンコツギャグを組み合わせる。「有能」と「かわいい変人」を同じ題材で両立させる。
■舞台設定・ルール
現代にはダンジョンが存在し、探索者による攻略や探索配信が一般化している。
通常区域には安全転送機構があり、一定以上の危険なダメージを受けると入口へ強制転送される。そのため、ことはが罠へ飛び込んでも基本的には安心して見られる。
第1話でことはが転送された《不明階層》だけは通常の地図や帰還機構が通用せず、巨大な黒竜、莫大な財宝、願いを叶えるかなえちんが存在する。
かなえちんによれば、ダンジョンは上位存在が人間の反応を見るために作った遊び場に近い。ことはは一部の秘密を教えられるが、他人へ話すことは禁止されている。
かなえちんの願いは一人一つ、直接会った相手のみ。ただし本人の「お友達特典」もあり、運用は大らかである。
■第1巻・全5話のあらすじ
視聴者0人で罠配信を続ける和梨ことはは、初心者向けダンジョンで古いトラバサミを発見。自分から踏んだことで、不明階層へ転送される。財宝、伝説級の剣、巨大な黒竜にも興味を示さず罠を探し、願いを一つ叶えると言われても「家に帰りたい」に使って帰宅する。
翌日、探索者ギルドの榊原千歳たちが事情聴取に訪れる。ことはは詐欺師と勘違いして自宅へ罠を張り、誤解が解けた後も解除し忘れた罠で千歳を捕獲。さらに、自分の配信が二千八百万回以上再生されていることを知り、「罠の良さが伝わった」と喜ぶ。
置き忘れたスマートフォンから連絡してきたのは、不明階層の願いの少女と黒竜だった。ことはは二人を「かなえちん」「トラさん」と名付けて友達になる。ダンジョンの秘密より「罠を作った人物がいる」ことに興味を持ち、「話してみたいなぁ」と新しい楽しみも増える。
通常配信では古い吊り天井を使って猪型モンスターを倒し、初めて視聴者から「罠って面白い」と反応をもらう。しかし、嬉しくなって「支え棒の気持ち」を楽しんでいる最中、同じ罠を受けて安全転送される。
かなえちんとトラさんも配信を開始。ことは、ミナを加えた四人で企画会議を行い、同接2人の初配信を最後まで楽しく終える。背景には世界級の謎が映るが、誰も深刻には扱わない。
第5話では、人気探索配信者・水無月カグヤ=ミナと《罠チャレンジ》を開催。カグヤがほぼ突破した自作罠コースを、ことはは配置変更後にも一つも作動させず完全攻略する。しかし、褒められて照れた直後に自分で罠を踏み、強制転送される。
その後、《罠チャレンジしてみた》動画が多数投稿され、ことはの遊びは他の探索者へ広がっていく。一方、不明階層には「ダンジョン管理局」が現れる。規制かと思いきや、目的は「私たちも混ぜてください」。かなえちんから《友達が増えそうじゃ》と連絡を受け、ことはが喜ぶところで第1巻を終える。
■各話のヤマとヒキ
第1話
ヤマ:トラバサミへ自分からかかったことはが不明階層へ転送。財宝、剣、黒竜を無視し、世界級の願いを帰宅に使う
ヒキ:置き忘れたスマートフォンを黒竜が壊す
第2話
ヤマ:事情聴取に来た千歳たちを詐欺師と勘違いし、自宅の罠へかける。罠だけ異常に精密な記憶力も開示
ヒキ:配信が二千八百万回再生され、不明階層から旧スマートフォンへ連絡が来る
第3話
ヤマ:かなえちん、トラさんと友達になり、吊り天井配信で視聴者から初めて罠そのものを認められる
ヒキ:ことは自身も吊り天井にかかって転送。かなえちんたちも配信者になる
第4話
ヤマ:ことは、かなえちん、トラさん、ミナの四人でほんわか企画会議。同接2人の初配信を楽しむ
ヒキ:千歳と男性職員まで二人の配信をフォローする
第5話
ヤマ:水無月カグヤとの《罠チャレンジ》。ことはがランダム罠コースを完全攻略し、罠師としての能力を最大限に開示した直後、自分で罠を踏む
ヒキ:罠チャレンジが他の配信者へ広がり、不明階層には「私たちも混ぜてください」とダンジョン管理局が現れる
■サブキャラクター
榊原千歳
探索者ギルドの高位部署に所属する、おっとりした年上の女性。ことはの罠へ何度引っかかっても怒らず、不明階層の映像を見てもまず「かわいい」「楽しそう」と受け入れる。ギルド側からほんわかした空気を広げる一方、《罠チャレンジ》の研修利用を即座に進めるなど、必要な場面では仕事もする。
ギルド男性職員
千歳とともにことはを担当する常識人。ミナや配信コメントと並ぶツッコミ役だが、本人も徐々にほんわか世界へ取り込まれ、かなえちんとトラさんの配信をこっそりフォローする。
ダンジョン管理局
第1巻ラスト、不明階層へ現れる集団。外部配信について話があると緊張感を作るが、目的は規制ではなく「私たちも混ぜてください」。次巻でさらに友達が増えることを示す。
■連載展開
基本は、毎回異なる罠やダンジョンの仕掛けを題材にした探索・配信エピソード。ことはが構造を解説し、専門知識で攻略・利用し、最後は罠好きゆえのポンコツで少し笑わせる。
第5話で生まれた《罠チャレンジ》は、探索者や配信者が参加する定番企画として使い、新キャラクターの能力や性格も見せていく。
同時に、ことは、ミナ、かなえちん、トラさん、千歳、管理局と、「ことはのほんわか世界」へ加わる人物を増やす。超常存在や人気者が増えても、主人公の権力や名声には変換せず、「変なお友達が増えた」で処理する。
不明階層へ再び行くこと、スマートフォンを取り戻すこと、罠を作った人物と話すことなどの縦軸もあるが、かなえちんは協力的であり、切迫した使命にはしない。「達成できるか分からない不安」ではなく、「そのうち実現する楽しみ」を置きながら、罠と友達が増えていくノーストレスな連載を続ける。