あらすじ
『醜い私が、美しい世界に転生した』
49歳、独身。
恋人いない歴=年齢。
幼い頃からいじめられ続け、同年代の人間に恐怖を抱くようになったゆみえは、派遣社員として働きながら、老人ばかりの宗教団体に居場所を求めていた。
「人は見た目じゃない」
そう信じていた。
けれど、現実は違った。
美しい人には自然と人が集まり、優しくされる。
自分より若く、美しい女性が現れれば、いつしか自分はそこにいないかのように扱われる。
そして48歳のとき、23歳の美男子に人生で初めて恋をした。
勇気を振り絞って告白したゆみえを待っていたのは、年齢と容姿を理由とした拒絶だった。
心を壊したゆみえは、自ら人生を終える。
――そして目を覚ます。
そこは、魔法とエルフが存在する異世界。
しかも、転生した自分の姿は――20歳の絶世の美女エルフだった。
街を歩けば人々が振り返る。
男性から次々と声をかけられる。
貴族からも求婚される。
前世では決して得られなかったものが、すべて手に入った。
「これが……美しい人の世界なんだ」
しかし、この世界では「美しい者ほど価値がある」という文化が当たり前だった。
美しい者は愛され、醜い者は見下される。
そして、かつて容姿によって傷つけられたゆみえ自身も、いつしかその価値観に染まり始める。
美しい王子。
醜い少年。
美貌ゆえに苦しむ少女。
そして、外見ではなく「ゆみえ自身」を見ようとする青年。
美しくなれば、幸せになれる。
そう思っていた。
では――美しくなった今の私は、本当に幸せなのだろうか?
これは、醜いと信じて生きてきた一人の女性が、最も美しい姿を手に入れた先で、もう一度「自分の価値」を探す物語。