あらすじ

岡山県倉敷市。 瀬戸内海と瀬戸大橋を一望できる観光地、鷲羽山。 昼間は美しい景色を楽しむ人々で賑わうその山には、昔からひとつの奇妙な噂が残っていた。 ――夜中、山道を走っていると「料金所」が見える。 しかし、その料金所はもう存在しない。 かつて鷲羽山スカイラインが有料道路だった頃に使われていた料金所は、道路の無料化とともに撤去された。 それなのに。 深夜、そこを通った車の何人かが、同じものを見ている。 暗闇の中に立つ、ひとりの男。 顔の半分が白く見える。 男は車を止める。 そして、窓の外からこう言う。 「……通行料を」 ある夏の夜。 高校時代からの友人四人が、鷲羽山へ夜景を見に行く。 最初はただの肝試しだった。 「昔、ここに幽霊の料金所があったらしい」 そんな軽い話から始まった。 ところが帰り道。 カーナビに存在しない道路が表示される。 スマートフォンの時計が全員同時に「2:17」を示す。 そして、霧の向こうに―― 本来なら存在するはずのない料金所が現れる。 運転していた悠斗はブレーキを踏む。 助手席の直樹が笑う。 「……マジで出たじゃん」 だが、後部座席にいた美咲だけは笑っていなかった。 彼女は、料金所の奥を見つめていた。 「ねえ……」 「何?」 「あそこにいる男……」 美咲の声が震える。 「四人じゃなくて……五人を見てない?」 その瞬間。 車の窓が、 コン。 と叩かれた。 一度。 二度。 三度。 そして車内に、知らない男の声が響く。 「……お連れ様、お一人足りませんよ」 四人は意味が分からなかった。 なぜなら―― この旅行に来たのは、最初から四人だけだったからだ。 そして翌朝。 四人は無事に帰った。 ……はずだった。 しかし、その日から四人のスマートフォンには、毎晩同じ時刻に一枚の写真が届く。 写真には、鷲羽山の夜景。 そして四人の後ろに立つ、見知らぬ五人目。 日を追うごとに、その男は少しずつ近づいてくる。 最初は山の中。 次は道路の向こう。 次は車の後ろ。 そして最後には―― 写真の中ではなく、 現実の部屋の窓の外に立っていた。 これは、四人が鷲羽山で遭遇した「料金所の男」をきっかけに、かつて山で起きた出来事を調べていく物語

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小説を読もう2026/09/04
  • 現在の作品鷲羽山で起きた、本当のホラー話