あらすじ
グランフェル侯爵家の長女リディアは、幼い頃から家族に疎まれながらも、傾きかけた侯爵領の経営を陰で支えてきた。
ところが、父はリディアに王太子アルベルトとの婚約を妹エレノアへ譲るよう命じる。さらに舞踏会の場で、リディアは身に覚えのない罪を着せられ、大勢の前で婚約を破棄されてしまう。
家族も婚約者も、誰一人として彼女を守ろうとはしなかった。
そんなリディアに手を差し伸べたのは、「冷血公爵」と恐れられる北方の英雄セドリック・ヴァレインだった。
「貴女を侮辱しない。貴女の言葉に耳を傾け、その能力に敬意を払う」
彼の誠実な言葉を信じ、侯爵家を去ったリディアは、北方でその類いまれな才能を開花させていく。領地改革を成功させ、領民から慕われ、やがてセドリックとも本当の家族になっていくのだった。
一方、リディアを役立たずだと見下していた侯爵家では、彼女がいなくなったことで領地経営が破綻。王太子と妹も、自分たちの無能さによって次第に立場を失っていく。
追い詰められた家族は、今さらリディアへ戻ってきてほしいと懇願する。
けれど、もう遅い。
彼女には、才能を認め、愛し、守ってくれる本当の居場所ができていたのだから。
これは、家族のために自分を犠牲にしてきた令嬢が過去との決別を果たし、愛する人と幸せな未来を築くまでの物語。