あらすじ
冒険者に殺された回数、およそ百万回。
前世は残業漬けの会社員。唯一の生きがいだったMMORPG『エターナル・サーガ』。気づけばその世界に、大型レイドボス「残虐の魔姫」スカーレット・ナイトブルームとして転生していた。
魔王軍の大幹部『六芒星』で、唯一攻略法が確立してしまった最弱の魔姫。レアドロップ「魔姫の紅玉」目当てに、出るまで何度でも殺される。今日も城の門には、順番待ちの列ができている。
だが前世を思い出した夜、百万回分の死の記憶が、ひとつの特殊スキルに化けた。「未実装の機能解読(デッドコードシーカー)」。読み取れたのは、開発中にボツになった隠し実績――『ハッピーエンド』。解除すれば、この呪いから降りられる。
条件は四つ。そのどれもが、攻略され尽くしたこの世界では百万年待っても起きない〝奇跡の事故〟だった。
ならば、起こす側に回るまで。
私を殺しきってくれる勇者を、探して、鍛えて、惚れさせる。
……心当たりなら、ひとりだけいる。いつかの討伐の日、見たことのない魔法の光の向こうで、一度だけ目が合った人。
「残虐の魔姫」、相棒をひとり連れて魔王城を出ます。