あらすじ
同棲を始めて、もうすぐ三か月。
佐伯航は、恋人の美緒と過ごす毎日が好きだった。朝の支度を手伝うことも、駅まで送ることも。
けれど、不満を飲み込んで「ごめん」と言うたび、小さな寂しさが残っていく。
彼女が好きなのは、僕なのだろうか。それとも、尽くしてくれる誰かなのだろうか。
僕は不覚にもこんなことを思った。
「もし、僕が死んでしまったなら、彼女はどう思うのだろうか」
口にできなかった願いを聞き届けたのは、神を名乗る存在だった。
差し出された誓約書に、航は署名する。
また二人の暮らしへ戻れるつもりで。
愛を確かめようとした青年と、その恋人の、すれ違いと再会の物語。