あらすじ
伯爵家の次男レオンが十五歳の《祝福の儀》で授かったのは、最低評価Fランクの固有スキル《廃棄》だった。
《不要なものを廃棄する》。
ただそれだけの能力だと判断され、家にとって価値がないとして、その日のうちに勘当される。
家名も居場所も失い、荒れ果てた辺境《灰境グレイヴ》へ向かったレオンは、旅の途中で猛毒を受け、死を覚悟する。
その時、初めて《廃棄》が反応した。
【猛毒――廃棄可能】
捨てられるのは、ゴミではない。
自分の身体を蝕む毒も、呪いも、土地を汚すものさえも対象になる。
やがてレオンは、辺境に捨てられていた一つの廃村へ辿り着く。
荒れた土地を直し、行き場を失った者たちを迎え入れ、誰にも奪われない「帰る場所」を作っていく。
けれど、レオンはまだ知らない。
《廃棄》したものは、本当に消えているのか。
そしてこの世界が、何千年もの間――「いらないもの」を、どこかへ捨て続けてきたことを。