あらすじ
二つの命令は、どちらも正しい。だから列車は動けない。
架空の1920年代。蒸気、ディーゼル、電信、紙の台帳で国家が動く世界。
第17鉄道結節所では、都市を凍結から守る命令と、明日の輸送を守る命令が同時に有効となり、石炭列車が停止する。
書類上126両。現物84両。その差42はどこにあるのか。
記者キーラは数字の正体を追い、監査人ドミトリー・エヴゲニエヴィチは、答えを出す前に「誰が何を確認したか」を分け始める。
一編成だけを動かすための一回限りの権限は、やがて七日間の調整系統へ、そして180日の暫定大統領権限へと拡張されていく。
しかし、彼に渡されるのは無制限の権力ではない。
守備隊、財政、地方、司法、監査――権限を止める五つの鍵は、最初から他者の手に残される。
これは英雄が国家を救う物語ではない。
合理的な方法が制度になり、その制度が人間を縛り始めるまでの物語である。
本作は第5話以降も続く長編漫画原作です。