あらすじ
はるか、はるか遠い北の果て、「堕神島(だしんとう)」と呼ばれる島があった。
一年中、凍えるような寒さに包まれた島、青と白の氷原がどこまでも広がり、いつも雪におおわれた氷山がそびえている。
そこには、ちょっと変わったアザラシたちが暮らしていた。
おおむかし、彼らは空のかなた、高い高いところに住む神々だったという。
けれど、ある大きな罪をおかしたことで、天の罰を受けた。
そのすがたは、今のようなアザラシへと変わってしまったのだ。
やがて春が来て、花が咲くころ。
アザラシたちは海の底を流れる暗い潮に身をまかせ、人間たちが暮らす入り江の漁村へ、そっともぐっていく。
月がまんまるになる夜。
彼らは身につけていたアザラシの皮をぬぎすて、本来の美しい神のすがたへと戻る。
そうして一匹、また一匹と海に浮かびながら、夜空にうかぶ白い月から降りそそぐ、光のしずくを静かに味わうのだった……。
☆ ☆ ☆
この物語は、あるアザラシが、自分のコロモを探し求め、遠い故郷へ帰るまでのお話です。
※執筆済み・毎週金・土・日更新
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