あらすじ
「その微笑み、お母様もきっとお喜びになります」
名門聖職者リースト家で育ったプリスは、幼い頃から亡き母の影を重ねられ、言葉のない足枷に縛られていた。
季節の変わり目ごとに襲う原因不明の病。「私は誰かの代わりに息をしているだけ?」と諦めかけていた彼女のもとに、冷徹な呪術師ジノとの政略結婚が持ち上がる。
「歪だな。皆、君を見ていない。呪いよりタチが悪い」
屋敷の中で唯一、自分という存在を正確に捉えてくれたジノ。彼とともに開かずの間の扉を開けたとき、プリスは自分が縛られていた「残酷な真実」と向き合うことになる。