あらすじ
春川夜桜、十八歳。
人前で話すことさえ苦手で、目立つことを避けて生きてきた少女。
けれど、ステージに立ち、マイクを握った瞬間――彼女は別人になる。
妖艶に笑い、攻撃的に歌い、観客を支配するヴォーカリストへ。
そんな夜桜が出会ったのは、
誰より負けず嫌いなギタリスト・夏神美琴。
冷静に仲間を支えるベーシスト・秋元零。
そして、ライブハウス「HELL or HEAVEN」を経営するドラマー・冬木神楽。
四人が結成したバンドの名は、DEATH ORDER。
最初の客は、ほとんどいない。
演奏は噛み合わない。
性格も、生き方も、抱えているものも違う。
それでも、一度ステージに立てば、
四人にしか鳴らせない音があった。
小さなライブハウスから始まり、
失敗し、衝突し、傷つきながら、
彼女たちは一つずつ次のステージを奪い取っていく。
才能だけでは届かない。
努力だけでも足りない。
過去は、簡単には消えてくれない。
それでも歌う。
これは、
居場所のなかった四人の女たちが、
DEATH ORDERという居場所を自分たちの手で作り、
やがて誰にも無視できないバンドになるまでの物語。
――私たちは、地獄でしか歌えない。