あらすじ
人付き合いが苦手で、何をするにも他人の目を気にしてしまう少年・真白悠。
ある日、不慮の事故によって命を落とした悠は、見知らぬ場所で一人の神と出会う。
「あなたには、異世界で第二の人生を送ってもらいます」
そう告げられた悠に与えられたのは、異世界で生きるための強大な力だった。
全属性魔法。
無限に近い成長能力。
物を生み出す創造魔法。
そして、神ですら驚くほどの規格外の能力。
これだけの力があれば、英雄にだって、魔王にだってなれる。
けれど悠が望んだのは――
「……誰にも会わずに、静かに暮らしたい」
ただ、それだけだった。
悠は人里離れた森に小さな家を建て、畑を耕し、料理を作り、のんびりとした異世界生活を始める。
ところが、薬草を採りに来た少女と出会ったことで、その静かな生活は少しずつ変わっていく。
パンを焼いてくれる村人。
農業を教えてくれる隣人。
遊びに来る子供たち。
森に住む不思議な精霊。
そして、いつの間にか家に住み着いた小さなドラゴン。
最初は「一人でいたい」と思っていた悠の周りに、少しずつ人が増えていく。
世界のどこかでは、勇者が魔王と戦っている。
王都では政治が動き、冒険者たちは今日も危険な迷宮へ向かっている。
けれど、世界の片隅にある小さな村では――
今日も畑が実り、パンが焼け、誰かが笑っている。
世界最強の力を持つ少年が、世界を救うことなく始める第二の人生。
これは、何者かになるためではなく、
ただ「帰りたい場所」を見つけるための異世界スローライフ。