あらすじ
ブラック特殊清掃会社「クリーン・ベア」で働く24歳の青年・鳴海櫂人は、今日も不機嫌だった。
「最近のネズミはデカくて火を吹くから、作業着が焦げて困る」
社長から命じられた新宿地下の害虫駆除。しかし指定された座標は、手違いで未踏破のS級ダンジョン最深部と繋がっていた。
襲い来る災害級の魔竜を前に、櫂人は「社長が怪しい業者から二束三文で買った」という特注殺虫スプレーを容赦なく噴射する。
実はそれが、非合法ギルドが日用品に偽装して隠し持っていた『古代竜の核液(神話級)』だとは知る由もなく、魔竜を瞬速でドロドロに「除菌」してしまった。
さらに運の悪いことに、その清掃風景が遭難中の探索者のドローンを通じて全世界に生配信されてしまう。
『あのスプレー何!?』
『災厄をファブリーズ感覚で溶かしたぞww』
『完全に裏社会の暗殺者だろ……』
ネット掲示板が大炎上し、世界中のトップ探索者や国家機関が血眼になって正体を探す中、櫂人は今日もボロアパートで発泡酒を飲みながらボヤいていた。
「最近、やたらとキツい汚れ(討伐クエスト)の依頼が増えて残業が多いな……」
Sランクの金髪探索者や、人間に擬態した元・魔竜を時給1100円のアルバイトとしてこき使いながら、最強の清掃員は今日もデッキブラシ(世界樹の枝)片手に世界の汚れ(スタンピード)を物理的に削り落としていく。
本人はただ真面目に働いているだけの、無自覚・勘違いダンジョン大掃除コメディ!